117　Hadrosaurus　　
　 Cretaceous Period　Powder River Country,Montana　（ヤフーオークションで購入）

　白亜紀、モンタナ産の恐竜、ハドロサウルスの長さ約１．８ｃｍの歯です。
　ハドロサウルスは、全長は7〜12mほどで鼻づらには骨質のとさか状の突起があり、吻部にはカモのように広がった角質の嘴を持っていました。　そして、口の奥に数百の発達した頬歯を備えていました。この無数の小さな歯が並ぶ頬歯はデンタルバッテリー構造と呼ばれます。歯は前から順に磨り減ると後ろから次々に生えていき、この歯で嘴で摘み取った小枝や硬い葉を磨り潰していました。この歯は歯根が折れていますが、じっくり観察すると表面の繊細な構造が観察できます。
　後肢は前肢よりも長く、捕食者から逃げる時など緊急時のみ二足歩行も出来たと考えられており、大半の時間を四足歩行で過していたと推測されます。ミイラ化石を詳細に調査した結果、腰部から尾にかけての筋肉量が従来想像されていたよりも多かった事が判明し、そこから導き出された走行速度は時速45キロほどであるとされ、やや後の時代のティラノサウルスの時速30キロと比べ、このような大型の捕食者より足は速かったと考えられています。