75　Ophiura sarsii sarsii
　産出地：千葉県君津市 　 時期：更新世　 上総層群 市宿層
　（ヤフーオークションで購入）

　千葉県君津市産　キタクシノハクモヒトデの個体です。これほど鮮明で、大きな母岩のものは、採集が困難です。無数のクモヒトデが折り重なって化石化し、団結度の弱い砂層の中で、クモヒトデの石灰分により強く凝固しています。念のために剥離防止のパラロイドＢ７２を塗布しました。
　キタクシノハクモヒトデは、長野県の中新統小川層から、最古のものが出ており、鮮新世からは静岡県の土方層からも産出します。クモヒトデは、海岸の磯などで見かけるヒトデに似ていますが、その腕はより細く、より自由に曲げることができます。また、ヒトデと異なり、胃や生殖腺が中央の盤の部分だけあって、その体は腕と盤にハッキリと分かれています。彼らは、ふつう海底で腕を持ち上げ、漂ってくるプランクトンやオキアミ、小魚などを捕らえて食べますが、大きな魚の死骸が降ってきたときは、引き寄せられるように集まったクモヒトデの群によって、死骸はたちまち骨だけにされてしまいます。